Against the Storm徹底レビュー|中毒性MAXの街づくり×ローグライク
『Against the Storm』は、ローグライクの緊張感とシティビルダーの構築欲を高密度で融合させた異色作です。女王の命を受けて危険な森へ入植し、限られた猶予の中で目標を達成する——毎回変わる地形・資源・天候が意思決定を揺さぶり、同じ展開は二度と来ません。
私の考えでは、本作は「運営が安定するとヌルくなる」という従来シティビルダーの弱点に真正面から挑み、運営が軌道に乗るまでの意思決定とリスク管理にフォーカスした革新的な設計だと断言できます。ラウンドごとに提示される課題と報酬、女王の怒り(制限)によるタイムプレッシャーがプレイ全体をキリッと引き締め、適度な緊張と熱中を最後まで維持してくれます。
「Against the Storm」のゲームループ図解

熱量のある体験談から見える魅力
「森の中の好きな場所に入植し、女王の怒りがMAXになる前にコロニーを完成させるゲーム。
制限時間とランダム要素の組み合わせがクセになる。」(プレイ時間:1911時間)
時間的制約×ランダム生成の相乗効果で、毎回異なるビルドが要求されるのが中毒性の核。プレイの度に最適解が変わり、知識よりも現場対応力が試される作りです。
「普通のノートPCでも動く軽さが嬉しい。気づいたら1000時間遊んでいた。」(プレイ時間:1914時間)
軽快な動作は想像以上の強み。幅広い環境でストレスなく回せるから、気づけば“もう一戦”。可処分時間を吸い寄せる設計と相性抜群です。
「街作りゲームが好きだけど安定するとやることがなくなる……そんな人におすすめ。常に新しい課題を投げかけてくる。」(プレイ時間:1781時間)
安定=退屈、を“次の課題”で乗り換えるサイクルが明確。タスク駆動でテンポよく意思決定が回り、気持ちよく“考える”時間が続きます。
特に強調すべきキーワード・テーマ
- ローグライク的リプレイ性:マップ・資源・天候・オーダーが毎回刷新
- 女王の怒り(タイムプレッシャー):ダラけない、常に締まる進行
- 意思決定の濃さ:開拓地の選択、種族特性、製造チェーンの組み替え
- 軽快動作:中~低スペックでも快適で長時間プレイに最適
- やり込み深度:難易度段階・メタ成長・実績で数百~数千時間の伸び代

ジャンル簡易比較表(レビュー文脈より)
レビューでは『RimWorld』『Banished』『Anno』との比較が語られていました。本作の立ち位置を5段階で整理します。
項目 | Against the Storm | RimWorld | Banished | Anno |
---|---|---|---|---|
戦略性(短期意思決定) | 5 | 4 | 3 | 4 |
リプレイ性(変動要素) | 5 | 5 | 3 | 3 |
緊張感(時間的制約) | 5 | 4 | 3 | 2 |
拡張・恒久運営の快感 | 3 | 4 | 4 | 5 |
学習コストの低さ | 4 | 3 | 4 | 3 |
恒久的な帝国運営の“のびのび感”はAnnoに軍配。しかし短期決断と緊張感、そして毎回の変化量で本作は群を抜きます。
買うべき人・向いていない人
買うべき人
- “安定したら作業化する”シティビルダーに飽きが来ている人
- 短いプレイでも濃い意思決定を味わいたい人
- PCスペックを問わず長く遊べる一本を探している人
向いていない人
- 時間制限や確率要素のストレスを極力避けたい人
- 同じ街を長期的に育て続ける恒久型の遊びを最優先する人
おすすめスコア評価表
項目 | 点数(10点満点) | コメント |
---|---|---|
ゲームシステム | 9 | 女王の怒り×ランダム要素の噛み合わせが秀逸 |
ビジュアル | 8 | 読みやすく温かいダークファンタジー表現 |
中毒性 | 10 | 毎回の課題更新で“もう一局”が止まらない |
難易度バランス | 8 | 理不尽は薄く、段階的に歯応えが上がる |
コスパ | 10 | 数百~数千時間級のリターンが狙える |
総合おすすめ度:9.0 / 10
総評
多数の長時間プレイヤーのレビュー(1000~1900時間級)からも明白な通り、本作は短期集中の意思決定サイクルを核に設計された、希少で完成度の高いローグライク・シティビルダーです。設計思想は明確で、課題提示→選択→成果検証→次の課題へという学習ループが心地よく回ります。軽快な動作で環境を選ばず、忙しい社会人の“30~60分一戦”にも噛み合う。街づくりに新しい刺激を求める人には胸を張って推せます。

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